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事業活動方針

2024年度 事業活動方針

 
会 長  石 黒  武
(大同特殊鋼株式会社 取締役会長)
 
 我が国経済は人口減少・少子高齢化や潜在成長率の停滞といった構造的課題と、米中対立、ウクライナ情勢等の、地政学的リスク、さらには急激な円安、世界的な物価上昇といった環境変化が同時かつ複合的に押し寄せ、先の見通せない不確実な状況に直面しています。

 このような中でも、企業はDXやカーボンニュートラルに向けてのGXの推進、SDGsなど、引き続き多くの取り組まなければならない課題を抱えています。とりわけ、人手不足は近年深刻化しており、2040年には最大で1100万人の労働力不足が予想されるなど、危機的な状況に直面しています。これら課題を解決し、持続的に成長していくためには、これまでの延長線上ではない新たな発想をもって、時代に適応する新事業やビジネスモデルを創造し、課題の解決を成長のエンジンとして付加価値を高め、飛躍的に生産性を向上していかなければなりません。

 この生産性向上を推進する源泉は人であり、そのためには企業は人への投資を積極的に続け、日本が持っている強みである不断の改善に加え、失敗を恐れず、挑戦をし続けていく風土醸成や、国籍、性別、年代を問わない多様な人材の活躍と、その育成が強く求められています。さらには、イノベーションの促進の必要性がますます高まっており、その実現のためには多様な考え方を内部だけでなく外部からも取り入れることが重要で、既存の枠組みだけでない、新たな発想を取り入れていかなければなりません。

 中部生産性本部では、当地域の産業の特色を踏まえ、生産性運動の三原則「雇用の維持拡大」、「労使の協力と協議」、「成果の公正配分」を前提とし、成長と分配の好循環を実現するためにも、労使学の叡智を結集して、激しく変化する環境に適応し、当地域の経済の発展に資する活動を積極的に展開してまいります。
以上の認識を踏まえ、当本部は本年度事業活動の重点実施事項として、次の項目に取り組みます。

「不確実な時代に持続的成長を実現させる経営のイノベーション」

変化の激しい現代においては、長期的な経営計画のみではなく、短いサイクルで環境変化に対応した臨機応変な成長戦略が求められております。その上で確かな成長を実現していくためには、ミッション、ビジョン、パーパスを明確にし、持続的な改善に加え、イノベーションを生み出す組織風土を築くことが必要です。当本部では各種セミナーにおいて、日本や中部地区を代表する経営者や実務家及び専門家からの情報提供を通じて、企業の持続的成長に向けた様々な支援を提供してまいります。

「人材の多様化と自律的な人材の育成及びリスキリングの推進」

人口減少と少子高齢化の進行により、人手不足はより深刻化していきます。さらに、グローバル競争におけるゲームチェンジに対応するためには、企業は人への投資を積極的に進め、リスキリングやリカレント教育により、新たな成長分野で活躍できる人材を育成することが求められています。そのためには、職場で働く人の人間力・幸福度を高め、エンゲージメントの醸成を図るとともに、多様な人材の活躍、将来のキャリア形成を見据えた自律的な人材になるためのサポート体制を整えていかなければなりません。労使がこれらの課題に如何に対応すべきかの支援を提供してまいります。

「サービス産業、中堅中小企業、管理間接部門等の生産性向上」

生産性向上の余地が大きいとされるサービス産業、中堅中小企業、管理間接部門などの生産性向上に向け、各分野の実情に応じた支援を提供します。中堅中小企業の生産性向上については、次世代経営革新塾や革新的製品創出サロンを通じて、経営者の資質向上と自社製品開発を促進し、間接的に支援します。また、サービス産業の生産性向上に資する情報提供を各種事業に随時反映し、管理間接部門の生産性向上は管理間接部門の業務改善・改革研究部会を中心に情報提供してまいります。
 

「世界経済の潮流を踏まえた日本企業のグローバル対応」

欧米を中心に、サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラルなど新たな経済モデルへの転換が進行しています。今後の日本の経済や企業の方針を考えていく上で、海外企業の現状を把握することが非常に重要です。そのために、海外での現地視察などを通じて、高付加価値の経営、カーボンニュートラル実現、リスキリングといった、持続可能な発展に向けた成長戦略についての学びの機会を提供してまいります。

「労働組合の生産性向上活動の支援」

物価上昇の影響を受けて、約30年ぶりの高水準となる賃上げが実施され、賃金と物価の好循環が求められています。この状況において、経営のカウンターパートである労働組合には、企業の健全な発展を支え、質の高い雇用を維持拡大していくという考え方の下、労働組合としての企業に対する提言機能を高め、これまで以上に生産性向上活動に取り組んでいく事が求められています。中部地方労働組合生産性会議の活動を通じ、労働組合の行う生産性向上活動を支援します。

「会員と地域に支持される生産性本部」

変化する経済社会の中で、時宜を得た事業内容にすべく、会員やセミナー出席者等のニーズの把握に努めるとともに、年度途中でも迅速に事業見直しを行い、最新の情報を提供してまいります。加えて、役員や会員の皆様の積極的な参画、協力を頂き、活動の充実と向上を図り、より価値のある事業の提供を目指してまいります。また、関連団体の中部IE協会並びに中部マーケティング協会等との連携を強化し、中部地域全体における活動を推進してまいります。

一般財団法人中部生産性本部
〒460-0003
愛知県名古屋市中区錦2-15-15
TEL 052-221-1261
FAX 052-221-1265

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